SAS(睡眠時無呼吸症候群)の治療法は、大きく分けて下記の通りです。
ダイエット
SAS(睡眠時無呼吸症候群)と診断された方のうち、肥満体質の方の場合はまずはダイエットに取り組んでいただきます。肥満体質の方は、お腹やお尻だけでなく、上気道(鼻からのどまでの空気の通り道)周辺にも脂肪がついているため、その分だけ空気の通るスペースを塞いでいることが多いのです。また、アルコールを沢山飲まれる方についても、就寝前には控えていただくことをお勧めしています。
ですから、肥満体質をお持ちの方は、栄養指導や生活指導を行った上で、下記のいずれかの治療法を選択してゆくことになります。
①マウスピース治療
睡眠時無呼吸症候群の重症度が軽度~中等度の方には検討しうる選択肢です。睡眠時にマウスピースを装着していただきます。マウスピースにより上下の顎を固定し、下顎を上顎より前に出す形にするといびきが抑えられ、そして睡眠時無呼吸症候群から開放される仕組みです。主にCPAP治療が適用にならない方の選択肢としていますが、こちらは保険適用の上、作成が可能です。作成の場合は、マウスピースを作成して頂ける歯科医院の受診をお勧めします。また、その後の効果を測定するために、再度ポリグラフィ検査を受けて頂きます。
②手術治療
狭くなった咽喉を外科手術によって広くしたり、扁桃を摘出する場合もあります。坂本クリニックグループの提携する大学病院などにご紹介の上で、専門医に受診して頂きます。ただし、一般的には狭くなった咽喉を広くする、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)と呼ばれる手術は、取り除いた後、一定期間が経過すると取り除いた部分がまた再生され、いびきが復活してしまうという例が多く報告されるようになりました。そのような観点から、当クリニックグループでは患者様へにご提案する治療法としてはやや慎重な立場をとっています。
③CPAP治療
CPAP(シーパップ)と呼ばれる装置を睡眠時に装着していただきます。現在、中等度以上の方のSAS(睡眠時無呼吸症候群)治療で最もポピュラーで効果的な治療法です。また、副作用が無いこともメリットです。CPAPと呼ばれる機械から、装着していただくマスクへ継続的に空気を送り込み、患者さんの上気道(鼻からのどまでの空気の通り道)が閉じないようにする治療法です。当院でも3つの選択肢の中でも、最も確立された治療法として積極的に採り入れています。