子どもが睡眠時に「いびき」をかいていたら
病気のサインかも!?
小児の睡眠時無呼吸症候群の
定義とは
- 成人の場合…
- 「10秒以上の呼吸停止が1晩(7時間の睡眠中)に30回以上」または「1時間に5回以上ある」とされています。
- 小児の場合…
- 「無呼吸時間が10秒に至らなくても、2回分の呼吸停止があれば無呼吸状態」と診断できるとされています。
小児の睡眠時無呼吸症候群の原因
扁桃組織の肥大として考えられるのはアデノイド肥大と扁桃肥大です。
アデノイドはリンパ組織のかたまりで、2歳頃から大きくなり、6歳頃にアデノイドの大きさがピークとなり、8~10歳頃くらいの時期に自然に小さくなっていきます。扁桃肥大とは口蓋扁桃が肥大する状態で、3歳頃から大きくなり、7歳頃にピークとなり10歳頃には小さくなります。
どちらも扁桃組織の肥大によって、空気の通り道が狭くなるため、鼻づまり、口呼吸、いびきといった症状を伴うことがあります。子どもが風邪を引いて、鼻づまり、口呼吸、いびきを起こすことはよくあります。しかし、風邪の症状が軽くなってもこれらの症状が続く場合は、子どもの睡眠時無呼吸症候群の原因ともなりうる扁桃組織の肥大の可能性が考えられますのでお早めに耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。
近年、花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎が増加しています。さらには長引く鼻炎や鼻づまりによる副鼻腔炎(蓄膿症)も原因にもなっています。幼少時は鼻呼吸が成人以上に重要で、鼻炎による軽度の鼻閉でもいびきや小児の睡眠時無呼吸症候群の原因となります。花粉症や肥満は、どちらも子どもに増えているため、今後は小児の睡眠時無呼吸症候群の患者も増えるのではないかと考えられています。
小児の睡眠時無呼吸症候群の
症状とは
睡眠時や日常生活において下記のような症状が現れたら、小児の睡眠時無呼吸症候群かもしれません。お早目に当院(大阪市阿倍野区の耳鼻科 坂本クリニック)までご相談ください。
- 寝息が荒く、毎日「いびき」をかく
- 数秒間、呼吸が止まる
- 大きな「いびき」を繰り返す
- 眠りが浅く、ちょっとした刺激で何度も起きてしまう
- 陥没呼吸(呼吸時にみぞおちがペコペコとへこむ)
- 寝汗や夜尿(おねしょ)が多い
- 寝相が悪く、口を開けて寝る
- 寝起きが悪く、起こさないと起きない
- 不機嫌
- 口が乾いている
- ぼーっとして頭痛がある
症状
- 口呼吸
- イライラして怒りっぽい
- 眠そうだったり、長時間の昼寝をしたりする
- 幼稚園や学校での居眠りが多い
- 集中力の低下
- 食欲がない、食事に時間がかかる
- 注意力が散漫で、落ち着きがない
- 鼻が常に詰まっている
- 上記のような症状がありましたら、お早めにお近くの耳鼻咽喉科、または当院(大阪市阿倍野区の耳鼻咽喉科(耳鼻科)坂本クリニック)までご相談ください。
小児の睡眠時無呼吸症候群の
治療方法
しかし、症状が重症の場合は、鼻に装着したマスクから空気を送りこむことによって、ある一定の圧力を気道にかけて呼吸を楽にするCPAP(シーパップ:経鼻的持続陽圧呼吸療法)を実施します。中学生から使用できるCPAP(シーパップ)マスクもあるので、安全に使用することが可能です。ただし、CPAPの治療は長期間の治療が必要になる場合もあり、重症度に応じて、耳鼻咽喉医師と相談の上、手術を含めた外科的治療の選択肢を検討することもあります。
- いずれにしても、小児の睡眠時無呼吸症候群は、放置すれば成長・発達に障害が出る可能性が高いので、早期の診断と治療が大切です。
家庭での注意点
息が止まっているみたいだが、何科に相談していいかわからないときは、当院(大阪市阿倍野区の耳鼻咽喉科(耳鼻科)坂本クリニック)までご相談ください。