アレルギー性鼻炎の薬を服用した際に多くの患者さんが気にされる点は眠気でしょう。
市販薬の鼻水止めや病院から処方される抗ヒスタミン薬(風邪用の鼻水止めや湿疹などのかゆみ止め)を飲んだ経験から「アレルギー性鼻炎の薬は眠たくなってしまう」との思い込みが強いようです。実際に鼻水を止める効果が高いといわれている薬は眠気の頻度が増す傾向にはあります。しかし、その状況がすべての人にあてはまるわけではなく、眠気の頻度が高い薬を使用しても全く眠気を感じない人もいれば、頻度が低いものにも関わらず眠くてしょうがない人もいます。また、「薬を飲んだ」という暗示効果で眠気を訴える人もいます。
抗アレルギー薬には1日の服用回数が1回、2回、3回と異なる薬がありますし、眠気や口の乾きを感じることが少ないものなど様々な種類があります。
薬の効果に関しては個人差が大きく、実際に使用してみないと効果の程度や副作用(眠気、喉の乾きetc)の有無はわからないといったことがあります。
上記のように、アレルギー性鼻炎に効く薬は、種類も豊富で色々な組み合わせをすることができます。ご自身に合った薬を見つけるためにも医師と相談した上でアレルギー薬を使用するようにしましょう。
様々な薬を飲むことによって、薬の効果が発揮されないといった医師からの一方通行的な処方は当院では致しません。医師から出された薬によって、患者様自身が最も効果のある薬を選択して頂きます。
また同じ薬にも関わらず、効果が高い年と効果が低い年が生じる場合があります。この理由の一つとしては、毎年花粉は一定量飛散するのではなく、その年度によって異なります。
花粉が多く飛散する年度は症状も強く出ます。こういった症状が強く出る時は、医師と相談した上でより効果が高いと考えられる薬に変えたり、作用機序(薬が体のどこに作用して効果を発揮するのかというメカニズムのこと)が異なる薬を一時的に増やすといったこともできますので、お気軽にご相談ください。
点鼻薬の一部である血管収縮薬は即効性があり、使うとすぐに鼻のつまりがとれます。この血管収縮薬は市販薬の点鼻薬に多いのですが、この血管収集薬は使い続けることで逆に鼻炎を起こす薬剤性鼻炎を引き起こすことがあります。そのため、血管収縮薬は症状がひどい最初の7~10日間に限って使うのが良いでしょう。症状が落ち着いてきたら、点鼻用のステロイド薬への切り替えをすることをおすすめしております。
当グループで実施している手術療法として日帰りレーザー手術があります。(手術は本院の坂本クリニック、あべのハルカス坂本耳鼻咽喉科の両院にて実施)
この手術は日帰りで行うことができます。手術の効果が継続する期間は人によって様々で、数か月から1~2年ほどと言われています。効果が切れた後、再度施行することができます。
手術施行後は、鼻の中にかさぶたが詰まったりする炎症反応によって、数週間は症状がきつくなりますが、その後かさぶたが取れてくるとともに、効果が出てきます。
[以下のような方はお奨め致します]
- 胃が弱く、薬を飲むことができない
- アレルギー性鼻炎が受験や就職活動の妨げになる
- 妊娠を希望しているため、なるべく薬を飲みたくない
- 職業上の理由(ドライバーetc)で薬を飲むことに不安がある
- 生活が不規則できちんと薬を飲むことができない
これら以外の状態でも実施される方はいらっしゃいます。